中学2年の冬、父が出稼ぎ先で事故死した。
運転者は地元の若い仲間で、飲酒運転で100km/h出して鈴鹿峠の国府のカーブを曲がりきれず電柱に激突。後部座席で寝ていた父は車外に放り出され、脳挫傷で即死。
事故現場には何度か行ったが、ゆるく長いカーブで、最初写真を見た時は「どうしてこんなゆったりした道で?」と思ったが、自分で車を運転するようになってよくわかった。スピードを落とさずにカーブに入ると、外に向かおうとする力が加わりコントロールがきかなくなる事を知った。遠心力というのは実に恐ろしい。
父は毎年冬になると雪の降らない土地に出稼ぎに行っていたのだが、この時は珍しくいつも言わない言葉を置いていった。
「今度は長く帰って来られないから母ちゃんを助けてやってくれよ。」
結局これが私にとって、父の最後の言葉となった訳だが何か遺言のようになってしまった。
親不孝ばかりして、全く守れないまま去年母は他界、今頃「しょうがないやつだ」と二人で苦笑いしてる事だろうな
2003.02.28