それは簡単なことで、損得を考えずに決めればいいだけなんです。 現代人はどうしても損得を考えるから悩むんです。そして悩むということはわからないからなんですね。 わかるわけないんですよ。人間には未来のことは絶対にわからないんだから。 例えば受験をするのにどっちの大学がいいのかと悩む。調べればある程度はわかるけど、ここで今の人は「自分にどっちが合ってるのか」なんてバカなことで悩む。そんなことは誰にもわかるわけがない。 それは悩むことじゃないんです。自分で合わせればいいだけ。 どっちが楽しいかとか。就職はどうかとか。全部自分の損得で考えるから。だから悩むんです。そんなものは自分でどうにかする、という気概で行けばいいだけなんです。 決断なんて子供でも出来るんですよ。子供の方が得意なことも多い。それは子供は親に頼っているから損得勘定がまだ無いから。 「じゃあ、こっち」って1秒でなんでも決めますよ。で、それでいいんですから。決めて進めばいいの。 後からあっちが良かったなんてこともありますよ。でもそれは泣き事というもので。 損が嫌だという人間は絶対に決断できない。判断も駄目。損か得かなんてことはいくらでも変転することだから。短期的に見ればわかることでも、長期的には逆転することも多いから。 損でいい人生を目指さないと、真にいい人生にはならない。いつまでも決められずに愚痴を言うだけになる。 ギャンブルがなぜあんなに人を熱狂させるのか。あれはわからないものだからなんですよ。当たるかどうかわからないから。 わからないんだけど、人に当たった時のことを考えさせるシステムだからみんなはまるんです。人生で損得を考える人間はみんなあの下らない者になってしまうんです。 私は戦史が子供の頃から大好きだから。いろんな戦場の勝敗に至る経緯を見て来た。 だからわかりますけど、戦場での指揮官の決断というのはただの勘であることが多い。戦場という人間の命のやりとりをする、国家の命運のかかる場面でさえそうなんですから。 ただ決めることなんです。決めなければならないだけ。 で、これはよくよく考えればわかるんですが、飛びきり有効な戦略、戦術なんてほとんど無いんですよ。指揮官が命じて、各自が自分の役目を果たすことだけなんです。それをやるほど強くなり、勝利することが多い。 名軍師と呼ばれる人間がいる。この人間達の言動をよくよく見て行くと、どっちでもいいことに理屈を付けていることが非常に多いことがわかる。結局指揮官に決断をさせるための手伝いなんですね。「決めさせる」ということに主眼がある。 いい指揮官というのはだから、即断し断行する人間のことであり、部下に役目を果たさせる人間なんです。 自分の人生は自分が指揮官であり兵士なんだから、即断しあとは役目、やらねばならんことをやっていけばいいんです。 まあ、現実には人生経験を積んで行くと判断する力はついてくるんです。人間はバカのままじゃないから。 でも今こういう質問を上げるということはまだその力は無いんだから。今すぐに手に入ることでもないんだし、だから全てを「わからないもの」と受け止めて、ただ決断すればいいんです。 判断力については前述したように「勘」というものになることが多いんです。これは実際には膨大な経験則が有機的に結びついて閃くということなんですね。 他人にはもちろんのこと、本人にさえなぜそうなるのかは自覚できないことが多い。 まあここまで行くとベテランの域で、もう悩むことは無いんです。言い換えればそれ以前に意識的に判断が付くことは大したものじゃないんです。 そして、そういうベテランになるためには、わからないことを決め、その決断に従って貫く人生しかないんです。 多くの場合には他人の決断に従う人生に突入することになる。そこに自分の判断などというものを交えずにひたすらに自分の役目を貫いて行くと養われて行く。 この道というのは、自分の損得勘定の思考を徹底して破壊する効果があるから。 で、結論というのは人間にはわからないことの方が圧倒的に多いんだから。損して当たり前という気構えで行くことが最も正しいんです。
■ [メモ]D.カーネギーの名言
■ 「失望落胆して壁に突き当たった人の多くが、立派にそれを乗り越えてきている。他人にできたことが自分にもできないはずがない」
■ 「とても出来そうもないと思える事柄でも思い切ってぶつかれば、恐怖心は溶け去る」
■ 「不可能だと思わない限り人間は決して敗北しない」
■ 「自分のことで卑屈になったり、引っ込み思案になったりしがちなのを克服する最上の方法は、他人に興味を持ち、他人のことを考え、他人のために何か尽くしてやることだ。常に人に親切を尽くし、友人のような心で接すればあなたはその素晴らしい結果に驚くことだろう」
■ 「幸福は人の地位とか財産には関係がない。まったく自分の考え方一つで人は幸福にも不幸にもなる。だから毎朝自分にとってありがたいもののことを考えて1日を始めることだ」
■ 「人に与えたものは手元に返ってくる」
■ 「あなたは成功者になれる。だがそうなるには仕事に精を出す必要がある。何かを成し遂げたくてたまらず、そのためには何者も惜しまない気持ちになることだ」
■ 「気の小さいものは少し批判されただけで立腹する。しかし分別あるものは自分を非難した者からも叱責した者からも、そしてことにどこが問題と自分の至らないところを熱心に学び取る」
■ 「自分のほしいものが手に入らなければ、自分が今持っているものに対して感謝することだ。手に入らないからと愚痴を言わず、自分には感謝すべき大きなものがあることを常に考えるべき」
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